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​事業評価レポート

2025年度日本郵便年賀寄付金助成事業

ひきこもり家族支援のための

VRを用いた

コミュニケーショントレーニング事業

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1. 事業の背景と目的

本事業は、ひきこもり状態にある当事者への直接的な変化を短期的に求めるのではなく、
家族のコミュニケーション力や支援に向き合う力を高めることを通じて、当事者の回復を間接的に支えることを目的として実施しました。

特に、

  • 家族が当事者の状態を理解しようとする視点を持つこと

  • 家族自身の心理的負担を軽減すること

  • 将来的な医療・相談機関との支援接続に向けた準備を整えること

を重視し、全10回の継続型プログラムとして構成しました。

また、本事業ではVRを活用した体験を取り入れました。

安全性が確保された環境の中で、参加者が実践的に関わり方を学ぶ機会を設けるとともに、新しい支援手法の有効性についても検証しました。

2. 実施概要

  • 実施回数:全10回 (事前説明会、プログラム9回+フォローアップ)

  • 定員:8家族

  • 実参加:3家族

  • 実施方法:90分/回 3週間ごと 少人数制・継続型プログラム

  • 評価方法:各回アンケート

 

参加形態は一様ではなく、

  • 継続して参加された方

  • 単回参加の方

  • 途中から参加された方

など、多様な関わり方が見られました。
これは、ひきこもり家庭支援における参加の難しさや心理的負担の現実を反映したものと捉えています。

 

本プログラムは、講義・VRによるロールプレイ・振り返りを組み合わせた構成とし、家庭内での実践とその振り返りを重ねる形で実施しました。

3. 家族のコミュニケーションと意識の変化
(成果①~④)

プログラム期間中、家族の「当事者への関わりに対する自信」について、5項目のアンケートを用いて経時的に評価しました。

継続参加された家族においては、

  • 当事者の話を聞こうとする姿勢

  • 当事者の心理状態を理解しようとする視点

について、回を重ねる中で変化が見られました。

 

一方で、こうした自信は直線的に高まるのではなく、

実践を通じて一時的に揺らぎながら再構築されていく過程も確認されました。
これは、家族支援における現実的で自然な変化のプロセスであると考えられます。

また、医療機関や相談機関につなぐことに関しては、
「最終的な目標として意識しつつも、慎重に判断したい」という姿勢が見られ、
子どもとの関係性を大切にしながら対応することが重視されていました。

4. 参加者の声(最終アンケートより)

​達成度90%

  • 理由(要約)

    • 子どもの複雑な心理状況を理解する視点が分かるようになってきた

    • 自身の気持ちも楽になり、定期的にプログラムに参加することが効果的と感じている

  • 印象的なコメント(抜粋)​​

「VRで映像を通して自然に受け入れられるようになり、参加者と話すことで子どもとの接し方に少しずつ自信がついてきました。子どもが元気になってきていることも実感しています。」

達成度85%

  • 理由(要約)

    • 医療や相談機関につなぐことを最終目標としていたが、そこまでは達成できなかった​​

  • 印象的なコメント(抜粋)

「子どもからどう見えているかを具体的に知ることができ、自分の対応は間違っていなかったと自信を持てました。家族の状況で相談できる人がいない中、プログラムの存在に本当に助けられました。無理せず前を向いて、良い方向につなげていきたいです。」​

※本プログラムの実施過程や各回の様子については、これまでの開催報告ブログでも紹介しています。

5. VR体験の評価(成果⑤)

VR体験に関するアンケートは、初回および最終回を除く実施回において行い、延べ9件の回答を得ました。

6項目・18点満点で評価した結果、平均16.8点と高い評価となりました。

 

特に、

  • 「理解しやすかった」

  • 「容易に習得できた」

の項目では、すべての回答で最も高い評価が得られ、導入のしやすさが示されました。

 

また、

  • 「夢中になれた」

  • 「人に薦めたい」

といった項目も高得点であり、参加者が自発的に関わり、積極的に体験していたことがうかがえます。

体調面については、一部に軽微な疲れを感じたとの回答もありましたが、大きな支障は確認されませんでした。

 

数値目標として設定していた「平均13点以上」を十分に上回る結果となり、

VRを活用した支援の有効性と今後の活用可能性が示されました。

6. 総合評価と今後の展望

本事業は、少人数制での実施となったことで、各家庭の状況に応じた丁寧な伴走支援と、経時的な変化の把握が可能となりました。

当事者の生活状況に短期間で大きな変化が見られたわけではありませんが、
家族の理解や関わり方、心理的な余裕に関する変化が確認され、
回復に向けた「支援の土台づくり」の段階において一定の成果が得られたと考えています。

今後は、本事業で得られた知見を活かし、

  • 継続参加しやすい仕組みづくり

  • 関係機関との連携強化

  • VRを活用した支援の普及

に取り組んでいく予定です。

※本事業のアンケート結果を含む詳細な事業評価資料(PDF)は、後日公開予定です。

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