新しいカタチの家族会、スタートしました!
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- 7月4日
- 読了時間: 4分
ひきこもりのご家族を支援する新たな取り組みとして、VRひきこもり家族支援プログラムがスタートしました。
2025年6月27日に第1回プログラムを開催し、安心できる雰囲気の中でご家族が思いを分かち合う場をつくりました。
このプログラムでは、仮想現実(VR)技術を活用して、家庭内のコミュニケーション場面をリアルに体験します。
親の立場だけでなく、子どもの視点も体感することで、普段のやり取りを多角的に見つめなおし、新たな気づきや関わり方の工夫につなげていく内容です。
第1回プログラム開催のご報告

今回のテーマは「相手の気持ちを聴いてから話す」です。
参加されたご家族はまず、VRゴーグルを使って、日常の中でよくある親子のやりとりの場面を体験しました。
その後、「どんな気持ちになったか」「自分自身の経験と重なった点はあるか」などを振り返りながら、これまでの関わり方についてお話しいただきました。
続いて、同じ場面を”子ども・当事者の視点”で再体験。

「この状況で子どもはどう感じるか」を視点を変えて体験したことで、言葉の受け取り方や距離感などの”ズレ”に気づくプロセスが生まれました。
その後は、親としてできる工夫についてスタッフと相談しながら考え、「こうすれば良かったかもしれない」という関わり方のモデル動画を視聴。

さらに、ご自身の状況に置き換えて「自分だったらどんなセリフを言うか」の台本を作り、実際に声を出して練習するところまで取り組みました。
参加者からは、以下のような声が寄せられました。
「最初の場面は、まるで親が勝負を挑むような、引くに引けない余裕のなさが”圧”となって感じられました。」
「親側が余裕をもって対応することや、結論ありきでなく”本人の気持ち”をまず教えてもらうことの大切さを感じました。」
「子どもの目線、親としての自分の目線、自分が子どもだった頃の目線など、複数の立場から振り返ることが出来ました。」
「うちの子供には、(モデルの伝え方ではなく)もっとこう伝えた方が良いかもしれないと気づきました」
「親としての責任感やしつけ・教育を意識するあまり、心に余裕がなくなり負担感を感じることもあるという思いを共有できました。」
「現状を切り開く一歩になるような感じがして、参加を申し込みました。」

少人数であったため、ゆっくりと深いお話ができる場となりました。
開始時は少し緊張感もありましたが、徐々にリラックスして率直な気持ちを共有することができました。
当日は企業関係者の方も4名見学に訪れ、支援の現場を熱心にご覧になっていました。

このプログラムの特徴とご家族のメリット
本プログラムは、無理に何かを強要したり、これまでの関わり方を否定したりするものではありません。
ご家族が安心して自分のペースで、コミュニケーションの練習や新しい気づきを得られる場です。
「今さら言われなくても…」と思うことがあるかも知れませんが、改めてじっくり考え、感じることで、少しずつ日常のやり取りに変化が生まれていきます。
参加することで、VR体験を通じてお子様の視点を理解できるほか、専門スタッフが寄り添いながら、日々の関わり方の工夫や気持ちの整理をサポートします。
次回のご案内
日時:2025年7月18日(金)14:30~16:00
場所:結・しぶや(渋谷区地域共生サポートセンター)
対象:ひきこもり状態にあるご本人と同居されているご家族
※ご本人が外出出来ているかどうか、就労しているかどうかは問いません。
参加費:無料
内容:
VRによる体験ワーク
参加者とスタッフによる対話と振り返り
少人数で安心して話せる場づくりを行っています
次回のテーマは「聞き手に回る」です
お一人でのご参加も歓迎します。安心してお越しください。
▼参加申込はこちら

事業について
本家族会は、2025年度日本郵便年賀寄付金助成事業「ひきこもり家族支援のためのVRを用いたコミュニケーショントレーニング事業」の一環として実施しています。
テクノロジーと対話の力を組み合わせ、ご家族が一歩ずつ前に進むきっかけとなることを目指しています。
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